環瀬戸内海会議は、PFAS(有機フッ素化合物)による環境汚染問題が、瀬戸内海沿岸の地域でも生じていることから、各地の住民団体と連携して活動を進めてきました。PFASのうちPFOS及びPFOAの2物質については2026年4月から水道水基準が設定されたものの、発生源の特定や排出基準の策定には全く手がついていません。

このため環瀬戸内海会議と廃棄物処分場PFASプロジェクト(準備会)は合同で「廃棄物処分場等PFAS汚染問題を考える実行委員会」を立ち上げ、11月17日に環境省と交渉を行いました。以下はその概要報告です。

事前質問と環境省の回答(PDF)

実行委員会当日配布資料(PDF)

概要
◆ 水質汚染の現状

 河川や地下水でPFASが検出されているにもかかわらず、環境省は「新たな排出はない」との認識でした。実行委員会は「過去の排出物や廃棄物が二次汚染源になっている」と追及しました。
◆ 環境基準の設定
 水道水では2026年からPFASが基準に格上げされる予定ですが、河川や地下水では基準化されていません。実行委員会は早期の環境基準設定を要求しました。
◆ 排水基準の欠如
工場や事業場からの排水に関する基準が未設定です。環境省は「知見収集を進める」と回答するにとどまり、具体的な調査や規制は進んでいません。
◆ 産業廃棄物処分場の問題
10年前に全国の廃棄物処分場でのPFAS排出状況を調べ、安定型処分場からもPFASが検出されていることを認めましたが、抜本的な対策は全く示されませんでした。安定型処分場にPFAS汚染物を持ち込ませないためには搬入物の検査(展開検査)が不可欠ですが、これに対する回答も今になって「都道府県へのヒアリング」を挙げる始末で、何もしないに等しい内容でした。実行委員会では「実態調査や安定型処分場の区分の廃止」と求めました。
◆ PFOS・PFOA以外のPFAS
環境省は「知見の集積に努める」と回答するのみで、具体的な規制や調査は進んでいません。

環境省への政策提言(要求事項)
 以上の概要報告と一部重複しますが、実行委員会が交渉で要求したのは次のとおりです。引き続き環境省に実施を求めていく必要があります。                                                                                                                                                            
①公共用水域及び地下水の水質測定結果については、都道府県等からの報告を集約するだけでなく、測定目的が概況調査か汚染範囲の確認調査かを区別するなどして、環境の状況を正確に把握できるよう解析を行うこと
②指針値を超過した場合は、汚染源の特定に至るまで調査を行うよう地方自治体に助言するとともに必要な財政支援も行うこと。米軍基地が汚染源と疑われているケースでは、日米地位協定が汚染源調査のネックになっていることから、自治体による立ち入り調査が可能になるなど、その改善を行うこと
③永遠の化学物質といわれるPFASは土壌、地下水、廃棄物中に存在し、今も排出が続いていることを念頭に、早期に環境基準、排水基準が設定できるよう検討を進めること
④排水基準の設定に向けて、フッ素系界面活性剤の製造施設、フッ素系樹脂の製造施設、繊維や織物関係で表面処理を施す施設、半導体関連その他の電子材料関連施設、金属メッキやエッチング関連施設、製紙・紙工場、ゴム・プラスチック関連施設等の排水の実態調査を行うこと
⑤全国の産業廃棄物処分場からの排出水、周辺地下水のPFAS濃度の調査を行うこと
⑥産業廃棄物処分場に搬入されている廃棄物の実態調査を行い、どのような廃棄物がPFAS汚染源になっているのか明らかにすること
⑦安定型処分場における有効なPFAS対策を早急に示すこと
⑧安定型処分場の区分の廃止に向けて検討を進めること
⑨PFOS、PFOA以外のPFASに関する環境調査を充実させ、知見の集積、対策を進めること

参考:「環境と原子力の話」(末田副代表のホームページ)に詳しい報告が掲載されています。