最終的に埋立せざるを得ない廃棄物を受け入れる処分場は社会的に必要な施設ですが、悪徳業者による不適正な立地や運営が各地で深刻な環境汚染を招いています。とりわけ谷などを素掘りするだけで埋立可能な安定型処分場は、廃棄物と接触した汚水が地下浸透し、排水処理施設も設置不要であることから、周辺の河川や土壌の汚染につながり、各地で問題となってきました。

<各地で環境汚染を引き起こす安定型処分場>

 環瀬戸内海会議では、悪徳産廃業者と闘う地域の住民運動と連帯し、これまでに蓄積したノウハウの伝授など支援を行ってきました。
 2016年には兵庫県姫路市で総会を開催し、同市夢前で計画されていた安定型処分場の反対運動と交流し、環瀬戸のメンバーとしても活躍してもらえることになりました。夢前での処分場計画は、反対運動が林地開発申請の不備を暴き、許可が出ない状況に追い込んだことでとん挫しました。
 広島県三原市に産廃業者が設置した本郷処分場は、設置を許可した県の審査に看過し難い過誤・欠落があるとして、2023 年 5 月に広島地裁が許可取消しの判決を下しています。ところが県が控訴し、処分場の操業が続けられています。安定型処分場に搬入されてはいけない鉛が基準を超えて調整池下流の水路から検出されるなど深刻な汚染が生じています。環瀬戸内海会議は2025年度の総会を三原市で開催するなど、交流・支援を行っています。

<産廃処分の隠れ蓑、残土処分場>

 建設工事などで発生する残土は廃棄物ではありませんが、安上がりの残土処分場を悪徳業者が建設して廃棄物を混入して持ち込んだら問題です。もちろん違法なのですが、行政の監視の目が届かない現場では実際に行われているケースがあります。愛媛県今治市波方町の残土処分場計画地を2022年度の総会に併せて視察し、記念学習会で問題を地元の方々と共有しました。この計画は、反対運動の結果、県条例による設置申請が取り下げられましたが、油断はなりません。

<有害ガスの発生源、焼却炉>

 愛媛県西予市三瓶町に産廃業者が建設した焼却炉では、試運転時の測定でダイオキシンが基準を超えて検出されました。強烈な悪臭を帯びた排ガスが周辺を漂い、近くで飼われていたインコは死んでしまいました。
 環瀬戸内海会議では2015年の総会を現地で行い、愛媛県の許可上の問題を指摘、行政不服審査請求などの取り組みを行いました。現地の方々が監視行動を続け、問題のある業者に廃棄物を焼却委託するなと排出者に迫ったことなどから4年間でわずか25日程度しか稼働できず、業者は破産に至りました。完全勝利できた事例です。